チェスタトン「マンアライヴ」二部Ⅴ章第443回

ついに彼女たちが口をひらいたときに、長いあいだ沈黙にとざされていた会話がふたたび開始されたことは明らかだった。

「でも、どこにご主人はあなたを連れて行くつもりなのかしら?」ダイアナはしっかりとした声で訊いた。

「おばさんのところへ」メアリーは言った。「と言うのは冗談にすぎないわ。おばさんがいるのはたしかよ。道のむこうの下宿屋から追い出されることになったとき、おばのところに子供達をおいてきたの。こうした息抜きはせいぜい一週間しかとらないけど、ときどき二人して二週間も息抜きすることもあるわ」

「おばさんはずいぶんと嫌がっているのよね?」ロザムンドは何食わぬ顔で訊いた。「おばさんときたら、ほんとうに心がせまいのだから。それから何て言えばいいのかしら?そう、ゴリアテって言えばわかってもらえるかしら。でも、そう考えようとする心のせまいおば達ならたくさん見かけてきたわ、愚かしく見えるけど」

When they spoke at last it was evident that a conversation long fallen silent was being revived.

“But where is your husband taking you?” asked Diana in her practical voice.

“To an aunt,” said Mary; “that’s just the joke. There really is an aunt, and we left the children with her when I arranged to be turned out of the other boarding-house down the road. We never take more than a week of this kind of holiday, but sometimes we take two of them together.”

“Does the aunt mind much?” asked Rosamund innocently. “Of course, I dare say it’s very narrow-minded and—what’s that other word?— you know, what Goliath was—but I’ve known many aunts who would think it—well, silly.”

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