アメリア・B・エドワーズ「あれは幻影だったのか、それとも……? ある司祭の報告」No.10

学校の建物は真北を向いていた。そしてわたしたちは背中を太陽のほうにむけたまま建物の裏側に立っていた。その建物は壁に飾りもなければ、庇もなく、それでいて高さのある建物だったので、足もとから伸びたわたしたちの影は、くっきりと映しだされていた。

「もうひとつの……もうひとつの影?」彼は口ごもった。「そんなはずはない」

 半マイル以内のところには藪もなければ、木もない。空には雲一つない。なにもない。影をおとしそうなものは、なにひとつなかった。たしかにありえないとわたしも認めた。夢をみたにちがいない。そこで校庭の問題に戻った。「ミスター・ウォルテンホルムに会うべきでしょう」わたしは言った。「わたしのことも伝えてくださってかまいませんよ。望ましい改善だとわたしが言っていたことも」

「それは有難うございます、サー。感謝にたえません」彼はいったが、すべての言葉にへつらいがにじみ出ていた。「ですが、でも、あなた様のお力にすがることができればと思うのですが」

「あそこを見て」わたしは遮った。「あれは幻なのか?」

わたしたちは少年たちの教室の真下、飾りのない壁の下にいた。この壁のうえに、まばゆい陽光をうけて伸びているのはわたしたちの影で、わたしの影と校長の影が映しだされていた。さらにそこには、それほど長くはない影が、 彼の影とわたしの影のあいだに、 でもすこし離れたところに見えていた。あたかも侵入者が奥にいるかのように、くっきりと映しだされ、舞台背景にスポットライトがあてられたかのようだった。一瞬だけれど、もう一度はっきりと第三の影を見た。わたしは声をあげ、ふりかえった。だが、それは消えていた。

The schools faced due north, and we were standing immediately behind the buildings, with our backs to the sun. The place was bare, and open, and high; and our shadows, sharply defined, lay stretched before our feet.

‘A-a shadow?’ he faltered. ‘Impossible.’

There was not a bush or a tree within half a mile. There was not a cloud in the sky. There was nothing, absolutely nothing, that could have cast a shadow.

I admitted that it was impossible, and that I must have fancied it; and so went back to the matter of the playground..‘Should you see Mr Wolstenholme,’ I said, ‘you are at liberty to say that I thought it a desirable improvement.’

‘I am much obliged to you, sir. Thank you-thank you very much,’ he said, cringing at every word. ‘But-but I had hoped that you might perhaps use your influence’-‘Look there!’ I interrupted. ‘Is that fancy?’

We were now close under the blank wall of the boys’ schoolroom. On this wall, lying to the full sunlight, our shadows-mine and the schoolmaster’s-were projected. And there, too-no longer between his and mine, but a little way apart, as if the intruder were standing back-there, as sharply defined as if cast by lime-light on a prepared background, I again distinctly saw, though but for a moment, that third shadow. As I spoke, as I looked round, it was gone!


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