再訳 サキ『耐えがたきバシントン』№24

男たちが—知性に欠けた表情をして、それに比例して自分たちの権力に大きな信念をいだいていたー論じようとしているのは、どんちゃん騒ぎを許されている竜巻君のことだった。

「わたしが君の立場なら、あのバシントンの気をくじくんだが」学級担任がそう話しかけた同僚は寮の舎監をしていて、その寮は他の寮生にまじってコーモスがいるという厄介な特徴をそなえていた。

 「神により、それは禁じられている」舎監はいった。

 「そうだろうか、なぜ」改革論者はたずねた。

 「なぜなら造物主は、御心の仕業への妨げを嫌われているからだ。それに明らかに御しがたい者の意気をくじこうとするなら、自分に大変な責任をおわなければならない」

 「ばからしい。男の子は造物主の御手がはいる原料だ」

 「たいていの男の子はそうなんだが。ただ少数ながら例外もいる。バシントンも学生ながら、そうした少数のひとりだ。造作主によって高い次元にまでつくりあげられている。わたしたちは原料を型に入れてつくりあげるだけだ。そうした少数派と関わってみたところで、どうすることも出来ない」

 「だが成長したら、どうなるのだろうか」

 「彼らはけっして成長しない」舎監は言った。「それが悲劇なんだ。バシントンにしたところで、現在の状態から成長することはけっしてないだろう」

Men of more limited outlook and with a correspondingly larger belief in their own powers were ready to tackle the tornado had time permitted.

“I think I could tame young Bassington if I had your opportunities,” a form-master once remarked to a colleague whose House had the embarrassing distinction of numbering Comus among its inmates.

“Heaven forbid that I should try,” replied the housemaster.

“But why?” asked the reformer.

“Because Nature hates any interference with her own arrangements, and if you start in to tame the obviously untameable you are taking a fearful responsibility on yourself.”

“Nonsense; boys are Nature’s raw material.”

“Millions of boys are.  There are just a few, and Bassington is one of them, who are Nature’s highly finished product when they are in the schoolboy stage, and we, who are supposed to be moulding raw material, are quite helpless when we come in contact with them.”

“But what happens to them when they grow up?”

“They never do grow up,” said the housemaster; “that is their tragedy.  Bassington will certainly never grow out of his present stage.”


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