再訳 サキ『耐えがたきバシントン』№42

演説の抜粋は説得力にとぼしく、また馬鹿らしい内容であったが、記事の書き手はさらに自分の感想も書き足していて、そこで火花を散らしているのは皮肉めいた輝きで、セルバンテスのように洗練された残酷さがあった。 昨夜の試練のときを思い出して、フランチェスカは思わず楽しさを感じながら、情け容赦ない中傷記事ー中傷されているのは昼食会の約束をしたばかりの総督閣下だったーを読んだが、記事の最後の署名のところで、彼女の目から笑いが消えた。「コーマス・バシントン」という署名が記され、その下にはヘンリー・グリーチが震える手で何本も青い線を引いていたからだ。 

The extracts given sounded weak and foolish enough, taken by themselves, but the writer of the letter had interlarded them with comments of his own, which sparkled with an ironical brilliance that was Cervantes-like in its polished cruelty.  Remembering her ordeal of the previous evening Francesca permitted herself a certain feeling of amusement as she read the merciless stabs inflicted on the newly-appointed Governor; then she came to the signature at the foot of the letter, and the laughter died out of her eyes.  “Comus Bassington” stared at her from above a thick layer of blue pencil lines marked by Henry Greech’s shaking hand.


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