再訳 サキ『耐えがたきバシントン』№54

打算的な結婚が第一手段であることはあきらかなのだが、まじめにその件を考えてもらおうとは彼女も思ってはいなかった。もし魅力のある(同時に引きつけられている)娘といちゃつくところまでいけば、その娘は相続人なのだから、たしかに好機でもあろう。でも余りにもつむじ曲りな性格のせいで、はっきりとした求愛へと駆り立てられたとしても、それはただ、夢中になっている他の求婚者をわきに押し倒したいという欲望にすぎないためかもしれない。望みのない希望である。余りに望みがないため、彼女の脳裏を横切った考えとは、大嫌いな人間ではあるけれど、コートニー・ヨールに流れをゆだねて、コーマスにおよぼしているように思える影響に便乗しようとするもので、思いついた計画を大急ぎですすめるためであった。なにはともあれ、晩餐会は、彼女が期待していた本来の楽しみよりも、更に興味深いものになることはたしかだった。

An advantageous marriage was so obviously the most sensible course for him to embark on that she scarcely dared to hope that he would seriously entertain it; yet there was just a chance that if he got as far as the flirtation stage with an attractive (and attracted) girl who was also an heiress, the sheer perversity of his nature might carry him on to more definite courtship, if only from the desire to thrust other more genuinely enamoured suitors into the background.  It was a forlorn hope; so forlorn that the idea even crossed her mind of throwing herself on the mercy of her bête noire, Courtenay Youghal, and trying to enlist the influence which he seemed to possess over Comus for the purpose of furthering her hurriedly conceived project.  Anyhow, the dinner promised to be more interesting than she had originally anticipated.


PDF

さりはま の紹介

何かあればsarihama★hotmail.co.jpまでご連絡ください。★は@に変えてください。更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: サキ, 再検討「耐えがたきバシントン」 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.