再訳 サキ『耐えがたきバシントン』№58

「昨日、トルダム家を訪ねた」彼はいった。「どうやら夫妻の銀婚式があったらしいけど知っているのでは? 昨日ではなくて、それより前のことらしい。銀の贈り物がたくさんあって、いい目の保養になった。もちろん複製品もたくさんあった。それでも持っているということはいいものだ。あんなにたくさん手にしたら、あの夫妻も嬉しかろう」

「二十五年の結婚生活のあとの贈り物を見せられたからといって、羨ましく思う必要はないわ」レディ・キャロラインが穏やかにいった。「ふたりの不満に銀の裏地をつけたものにすぎないのだから」

そこに居合わせた客のうち三分の一の者が、トルダム家と縁がある者だった。

「レディ・キャロラインの出だしは上々だ」コートニー・ヨールはつぶやいた。

“I called on the Trudhams yesterday,” he announced; “it was their Silver Wedding, you know, at least the day before was.  Such lots of silver presents, quite a show. Of course there were a great many duplicates, but still, very nice to have. I think they were very pleased to get so many.”

“We must not grudge them their show of presents after their twenty-five years of married life,” said Lady Caroline, gently; “it is the silver lining to their cloud.”

A third of the guests present were related to the Trudhams.

“Lady Caroline is beginning well,” murmured Courtenay Youghal.

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