再訳 サキ『耐えがたきバシントン』№70

レディ・キャロラインの声が彼女の思考に割り込んだ。それは穏やかに、のどを慣らす声であった。だが気味の悪い特徴というべきか、夕食の食卓の端にまでその声を響きわたらせることができた。

「聖堂の助祭長さまときたら、ぼんやりとしていて、心がここにあらずなんだから。いつか日曜の最初のおつとめで読みあげたのは、オペラのバルコニー席をもっている人達の一覧だったのよ。家族の大切さでもなく、約束の地カナンに入ったイスラエルの多くの民のことでもなく。運のいいことに、誰も間違いに気がつかなかったけれど」

 Lady Caroline’s voice broke in on her reflections; it was a gentle purring voice, that possessed an uncanny quality of being able to make itself heard down the longest dinner table.

“The dear Archdeacon is getting so absent-minded.  He read a list of box-holders for the opera as the First Lesson the other Sunday, instead of the families and lots of the tribes of Israel that entered Canaan.  Fortunately no one noticed the mistake.”


PDF

さりはま の紹介

何かあればsarihama★hotmail.co.jpまでご連絡ください。★は@に変えてください。更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: サキ, 再検討「耐えがたきバシントン」 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.