川迸る。アダムとイヴの街の傍らを過ぎ、蛇行する川辺も通過して、ついに湾曲する入り江に流れこみながらも、循環を繰り返す商都の力で、ホウスの城とその周辺に我らを連れ戻す。
サー・トリストラムは数多の愛人たちを手篭めにしては、小さな海を渡り、行きつ戻りつするうちに、やがてノース・アルモリカからヨーロッパ・マイナーの細い地峡にあるこの地にたどり着き、武器を巧みに使って戦うのは、己の半島のためやら、己の一物のためやらか。
てっぺんが鋸の歯のような岩石群は、オコネーの流れに削られても、ローマ領の非ジプシーの人々のような姿になることはなかった。それにしても非ジプシーの民ときたら、ダブリンに行っては乞食を倍に増やし続けた。
炎に吹きつけるふいごから漏れる声。聖パトリックだかチュアートパトリックの洗礼をおこなっていたように聞こえたのは、空耳ではないと思えども、やはり聞き間違えていたのかもしれない。
じきにヴェニスの騒ぎが出来するけれど、未熟な若者ながらアレクシオス3世は、人あたりのいい盲のアイザックことイサキオス2世を、まだ嘲ってはいなかった。
インヴァネスではすべてが公平であったけれど、よく似た姉妹たち(メアリ二世と
アン女王か?)は愚かな預言者ナタンの喜びにまだ怒ったりはしていなかった。
親父の腐りはじめたモルトが腐敗したものだから、ジェム(スコットランド王ジェームズ二世か?)やシェム(スコットランド女王メアリー・スチュアートか?)はサーチライトで醸造されて、急坂の領土目指してのらんちき騒ぎ。しまいに水面に浮かぶ水輪となってブクブク浮かぶ始末。
落ちてゆく……bababadalgharaghtakamminarronnkonnbronnttonnerronntuonnthunntrovarrhounawnskawntoohoohoordenthurnuk!)
かつてのウォール街の老成した若鮎の転落話は、最初のうちは寝床で語られ、のちにカトリックの司祭をとおして人生について語るネタになる。
壁から思いっきり転落して、フィネガンは思わず歓喜の声をあげ