アーサー・モリスン倫敦貧民窟物語「ジェイゴウの子ども」17章119回

さいわいなことに、雨は降っていなかった。立ち退いた人々は道端で自分たちの荷物の近くにしゃがみこんだり、その上に座りこんで口喧嘩をしたり、悲嘆にくれたりした。ジンジャー・スタッグは瀬戸物をいくつか、家で使っていた古いマットレスで覆ってみたが、うっかりその上に座ってしまったときに、スタート神父に出くわしたので憤怒にかられながら弁償をもとめた。

 

 新しい貸間を捜索しようとするスタート神父の努力は、最初のうちは、ささやかな成功しか収めなかった。貸してもらえる貸間は、確かにありそうだ。だが貸間はあっても、金を払わなければいけないものに、人々は嫌悪をむきだしにした。ジェイゴウの人々の常だが、かつては無料だった部屋代の支払いには我慢できなかったし、なぜ支払わなければいけないのか理解することもできなかった。スタート神父は、長いあいだ、無料で使える部屋を提供してくれたのにと、ジェイゴウの人々は言いあった。それなのに今頃になって、どうして部屋の提供をやめてしまうのだろうか。もし撤去したのが、新しい教会に部屋をつくるためだというなら、同じような条件で、似たような住まいを見つけることが、公平だというものだろう。そこで人々は座って、彼がそうしてくれるのを待った。

The weather was dry, fortunately, and the evicted squatted in the roadway, by their heaps, or on them, squabbling and lamenting. Ginger Stagg, having covered certain crockery with the old family mattress, forgetfully sat on it, and came upon Father Sturt with an indignant demand for compensation.

Father Sturt’s efforts to stimulate a search for new lodgings met with small success at first. It was felt that, no doubt, there were lodgings to be had, but they would be open to the fatal objection of costing something; and the Jago temperament could neither endure nor understand payment for what had once been given for nothing. Father Sturt, the Jagos argued, had given them free quarters for so long. Then why should he stop now? If they cleared out in order to make room for his new church, in common fairness he should find them similar lodging on the same terms. So they sat and waited for him to do it.

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