チェスタトン「マンアライヴ」一部一章第19回

「症状は?」医師は訊ねた。「その電報は、どんな内容だったのか?」

「こうした話をするときに、冗談みたいなことを言うのは恥ずかしい限りだが」イングルウッドはいい、心底恥ずかしそうな素振りをみせた。「あの電報はスミスの病気のせいで、スミスのせいではない。そこに実際に書かれていた言葉は、『男が二本足で生きているのが発見された』」

「二本足で生きているだって」マイケルは繰り返すと、顔をしかめた。「たぶん、元気いっぱいで蹴っているという意味の表現なのだろう。正気をなくした人のことは、あまり分からないけど。そういう連中は、蹴っているにきまっている」

「それでは正気をたもっている人々は?」ウォーナーは微笑みながら訊ねた。

「ああ、蹴りつけられるにきまっている」マイケルは、ふと心から言った。

「その電文は、あきらかに狂気にかられたものだ」鈍いウォーナーは続けた。「確認するのに一番よい方法とは、未発達でも普通の人間を参考にすることだ。赤ん坊だって、三本足の男を発見するとは思っていない」

「三本足なら」マイケル・ムーンは言った。「こんな風の日には都合がいいだろうなあ」

 

“Symptoms?” asked the doctor. “What was this telegram?”

“It’s a shame to joke about such things,” said Inglewood, in his honest, embarrassed way; “the telegram was Smith’s illness, not Smith. The actual words were, ‘Man found alive with two legs.'”

“Alive with two legs,” repeated Michael, frowning. “Perhaps a version of alive and kicking? I don’t know much about people out of their senses; but I suppose they ought to be kicking.”

“And people in their senses?” asked Warner, smiling.

“Oh, they ought to be kicked,” said Michael with sudden heartiness.

“The message is clearly insane,” continued the impenetrable Warner. “The best test is a reference to the undeveloped normal type. Even a baby does not expect to find a man with three legs.”

“Three legs,” said Michael Moon, “would be very convenient in this wind.”

さりはま の紹介

何かあればsarihama★hotmail.co.jpまでご連絡ください。★は@に変えてください。更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: チェスタトンの部屋, マンアライヴ パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.