チェスタトン「マンアライヴ」二部一章第217回

「苦境から助けてあげますよ、教授」スミスは優しいけど、荒々しい口調で言った。「子犬から苦しみを取り除いてあげよう」

エマーソン・イームズは窓の方へと退いた。「つまり、君が言いたいのは、私を殺すつもりだということか?」彼は叫んだ。

「そんなふうにしてあげるのも、すべてのひとにというわけではないのですよ」スミスは感情をこめて言った。「でも、どういうわけだか、今夜、教授と僕はとても親しくなったようだから。今、僕にはわかるんですよ。教授の困りごとすべてが。それから唯一の解決方法も」

「それをおろしなさい」学長はさけんだ。

「すぐに終わりますから」スミスは、同情をしている歯科医という雰囲気で言った。学長がバルコニーのある窓へと駆けていったとき、彼に恩恵を施そうとする者も、しっかりとした足どりであとに続き、思いやりのある表情をうかべた。

 

“`I’ll help you out of your hole, old man,’ said Smith, with rough tenderness. `I’ll put the puppy out of his pain.’

“Emerson Eames retreated towards the window. `Do you mean to kill me?’ he cried.

“`It’s not a thing I’d do for every one,’ said Smith with emotion; `but you and I seem to have got so intimate to-night, somehow. I know all your troubles now, and the only cure, old chap.’

“`Put that thing down,’ shouted the Warden.

“`It’ll soon be over, you know,’ said Smith with the air of a sympathetic dentist. And as the Warden made a run for the window and balcony, his benefactor followed him with a firm step and a compassionate expression.

 

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