チェスタトン「マンアライヴ」二部一章第219回

無様だけれど勇ましい飛躍をして、イームズはこの古代様式の橋のうえに飛びおりたが、それが狂人から逃れる唯一の脱出手段なのであった。彼は橋にまたがって腰をおろしたが、まだ学衣を着たまま、その長くも、痩せた足を宙に放りだして、また飛びだす機会を窺った。白々と明るんだ日の光がさしこみ、その頭上にも、足元にも同様に、姿をあらわしはじめた形とは、垂直に、無限に屹立する影であり、ブレークスピアのまわりにある小さな池についてのところでも語った影である。下をむいて、水面に影をおとす尖頭や煙突を眺めているうちに、ふたりはこの空間に自分たちしかいないのだと感じた。その時の心持ちとは、北極から地の果てをながめ、眼下に南極をながめているような気持ちであった。

 

With an ungainly and most courageous leap, Eames sprang out on this antique bridge, as the only possible mode of escape from the maniac. He sat astride of it, still in his academic gown, dangling his long thin legs, and considering further chances of flight. The whitening daylight opened under as well as over him that impression of vertical infinity already remarked about the little lakes round Brakespeare. Looking down and seeing the spires and chimneys pendent in the pools, they felt alone in space. They felt as if they were looking over the edge from the North Pole and seeing the South Pole below.

さりはま の紹介

何かあればsarihama★hotmail.co.jpまでご連絡ください。★は@に変えてください。更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: チェスタトンの部屋, マンアライヴ パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.