チェスタトン「マンアライヴ」二部一章第221回

「助けてくれ」ブレークスピア・カレッジの学長は叫んだ。「助けてくれ」

「若造がじたばたしている」その学部生は、目に哀れみの色をうかべて言った。「あわれな若造がじたばたしている。彼よりも自分の方が賢く、親切であるのは、なんと幸運なことか」彼は自分の武器の照準を正確に定め、イームズの禿げ頭の上のほうに突きつけた。

「スミス」哲学者が呼びかけるその声は、怖ろしいほど平静だった。「私の気が狂ってしまうではないか」

「そうして、物事を正しい角度から眺めなさい」スミスは言うと、穏やかにため息をついた。「ああ、でも狂気は緩和剤にすぎない。唯一の治療とは手術なのだ。いつも成功する手術があるが、それは死である」

 

“`Help!’ cried the Warden of Brakespeare College; `help!’

“`The puppy struggles,’ said the undergraduate, with an eye of pity, `the poor puppy struggles. How fortunate it is that I am wiser and kinder than he,’ and he sighted his weapon so as exactly to cover the upper part of Eames’s bald head.

“`Smith,’ said the philosopher with a sudden change to a sort of ghastly lucidity, `I shall go mad.’

“`And so look at things from the right angle,’ observed Smith, sighing gently. `Ah, but madness is only a palliative at best, a drug. The only cure is an operation—an operation that is always successful: death.’

 

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