チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第257回

その次の瞬間、もじゃもじゃの頭が黒い穴のなかに消えた。だが下の方から私に呼びかける声が聞こえた。一、二秒後、もじゃもじゃの頭がふたたび現れた。赤々と輝く靄を背に、その頭は黒々としていた。いかなる言葉も、その様子を語ることはできなかった。いらいらとした様子でついてくるように呼びかけるその声は、昔からの友達の間柄のようであった。私は穴に飛び降りると、クルティウスのように手で探った。私が考えていたのはサンタ・クロースのことで、昔から伝えられた善行どおり、真上にある入り口から入ってくるということだったからだ。

 

“Almost at the same instant the hairy head disappeared into the black hole; but I heard a voice calling to me from below. A second or two afterwards, the hairy head reappeared; it was dark against the more fiery part of the fog, and nothing could be spelt of its expression, but its voice called on me to follow with that enthusiastic impatience proper only among old friends. I jumped into the gulf, and as blindly as Curtius, for I was still thinking of Santa Claus and the traditional virtue of such vertical entrance.

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