チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第268回

あけ放った戸口を背に立っているのは、物静かな雰囲気の、やや上背のある若い婦人で、はっきりとした、でも説明しがたい芸術的な雰囲気を漂わせていた。そのドレスは春の色、髪は秋の木の葉で、顔はいくぶん若いけれど、知性と同様に経験もある様子が伝わってきた。彼女はただ一言「入ってくる音に気がつかなかったわ」と言っただけであった。

「別の方法で入ったんだ」この侵入者はいくぶん曖昧に答えた。

「鍵を家に忘れたものだから」

私は礼儀正しく、でも興奮もまじった状態で立ち上がった。

「申し訳ありません」私は叫んだ。「私の立場が変則的なものであることは分かっていますが。こちらの家は、どなたの家なのか教えてもらえますか?」

「私の家だ」押入り強盗は答えた。「私の妻を紹介しよう」

 

“Framed in the open doorway stood, with an air of great serenity, a rather tall young woman, definitely though indefinably artistic— her dress the colour of spring and her hair of autumn leaves, with a face which, though still comparatively young, conveyed experience as well as intelligence. All she said was, `I didn’t hear you come in.’

“`I came in another way,’ said the Permeator, somewhat vaguely.
`I’d left my latchkey at home.’

“I got to my feet in a mixture of politeness and mania.
`I’m really very sorry,’ I cried. `I know my position is irregular.
Would you be so obliging as to tell me whose house this is?’

“`Mine,’ said the burglar, `May I present you to my wife?’

 

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