チェスタトン「マンアライヴ」二部三章第305回

鉄道のストライキがほぼおさまって、間隔をだいぶあけながらですが列車が少しやってくるようになった頃のこと、私は入ってくる列車を眺めていました。男がたった一人でその列車から降りました。とても離れたところにある、車両のもう片方の出口からでした。それはとても長い車両でしたから。もう夕方で、空は冷たく、緑をおびた色をしていました。粉雪が舞ってきましたが、平野を白くするほどではありませんでした。平野は悲しい紫色となって四方八方に広がっていきましたが、遠く離れた大地の平らな頂きには、湖のような夕方の光が射していました。連れのいない男が、列車のかたわらの薄く積もった雪を踏みつけながら近づいてくると、だんだんその姿が大きくなってきました。こんな大きな男に会ったことはないと思ったほどです。でも実際よりも背が高く見えていたのです。肩ががっしりとしているわりには、頭が小さいせいで、彼は背が高く見えたのではないでしょうか。がっしりとした肩には、ぼろぼろに裂けた上着をかけていました。光沢のない赤と汚れた白の縞模様の上着でしたが、冬に着るには薄いものだったと思います。片方の手を大きな棒にかけていましたが、その棒は雑草を燃やそうとするときに使う農夫の熊手のようでした。

 

“It was when the railway strike was almost over, and a few trains came through at long intervals, that I stood one day watching a train that had come in. Only one person got out of the train, far away up at the other end of it, for it was a very long train. It was evening, with a cold, greenish sky. A little snow had fallen, but not enough to whiten the plain, which stretched away a sort of sad purple in all directions, save where the flat tops of some distant tablelands caught the evening light like lakes. As the solitary man came stamping along on the thin snow by the train he grew larger and larger; I thought I had never seen so large a man. But he looked even taller than he was, I think, because his shoulders were very big and his head comparatively little. From the big shoulders hung a tattered old jacket, striped dull red and dirty white, very thin for the winter, and one hand rested on a huge pole such as peasants rake in weeds with to burn them.

 

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