2018.08 隙間読書 井原西鶴「諸国ばなし 公事(くじ)は破らずに勝つ」

【原文】

大職冠、さぬきの国、房崎の浦にて、竜宮へ取られし、玉を取り返さんために、都の伶人を、呼びくだし給ひて、管弦ありし、唐太鼓、ひとつは南都東大寺にをさめ、またひとつは、西大寺の宝物となりぬ。

【現代語訳】

大職冠、藤原鎌足公が、讃岐国、房崎の浦で、竜宮へ取られた、唐土渡来の宝珠を取り返すために、都の楽人を呼び下されて、海上で音楽を奏した時に用いた唐太鼓の、一つは奈良東大寺に納め、またひとつは西大寺の宝物になりぬ。

(原文、訳文ともに小学館日本古典文学全集67巻より)


「諸国物語」の冒頭にでてくる物語。

この二つの太鼓のうち東大寺におさめられた太鼓をめぐる話で、興福寺が毎年東大寺から借りていたのだが、東大寺が貸し渋るので興福寺側が知恵をはたらかせ、太鼓の革をやぶることなく解決したというもの。


冒頭から「竜宮へ取られし」なんて言葉がでてきてうっとり。

「大職冠、さぬきの国、房崎の浦にて、竜宮へ取られし、玉を取り返さんために、都の伶人を、呼びくだし給ひて、管弦ありし、唐太鼓」という「唐太鼓」にかかる言葉の豊かさにうっとり。

何となくデュラスの綿々とつづく長文をつらねる書き方を連想してしまった。

2018/08/15読了

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