2018.08 隙間読書 ヴィーズ「尼」森鴎外訳

「諸国物語」収録

デンマークの作家、グスタフ・ヴィーズ Gustav Wied (1858~1914)が書いた作品。ヴィーズは、今では忘れられた作家となっているようで本も流通していない。グーテンベルクにはデンマーク語版の本が二冊入っているが、ダウンロード数も実に少ない。今では、まったく読まれていない作家のようである。

この「尼」という作品の原題も調べてみたけれど、分からないままである。どなたかご存知の方がいれば教えて頂けたらと思う。

この短編は「おれ」の視点から語られる。登場人物は「おれ」の兄の牧師、それから尼二人である。片方の尼は年老いて太っていて、もう片方は若く、美しい。この尼二人の対比も、「おれ」が若い尼と接吻しようと煩悶、四苦八苦する様も、接吻したことを聞いた時のの兄の反応もすべてユーモラスである。

このユーモラスな面白味を翻訳するのは難しいものである。翻訳する側にすれば、意味をとるのに懸命になるあまり、肝心の面白さが分からなかったり、訳せなかったりする。でも森鴎外の訳はくすりくすりと笑えるし、このユーモアあふれる短編を「諸国物語」というアンソロジーの冒頭にもってくるとは…と森鴎外の意外な一面を発見したような思いがした。

2018/08/15読了

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