チェスタトン「マンアライヴ」二部四章第402回

四章

行き当たりばったりの結婚をしたのか、それとも一夫多妻の容疑で訴えるべきなのか

「現代人は」サイラス・ピム博士はいった。「もし思慮深く振る舞うことが可能であれば、注意をはらいつつ、結婚の問題へと到達しないといけません。結婚とは一段階なのですから。人類が目標にむけて前進していく長い過程における一段階なのですから。その目標がどんなものかということはまだ想像できませんし、おそらくは欲望に即したものでもないでしょう。紳士の皆様、結婚の倫理的な位置とは何なのでしょうか? 私たちは、それを乗り越えたのでしょうか?」

「それを乗り越えたかだって? 」ムーンは声をあげました。「それを乗り越えた者は誰もいない! アダムとイヴの頃から結婚してきた人を見てみろ。みんな完全に死んでいるじゃないか」

「それはあきらかに何とも滑稽な質問だ」ピム博士は冷ややかにいった。「ムーン氏の結婚についての見解ですが、どれほど熟慮されたものなのかは分かりません。どれほど倫理的なものなのかも分かりません」

「分かるとも!」マイケルは怒りにかられ、暗闇からいった。「結婚とは、死に対する決闘だ。名誉を重んじる男なら辞退できないものだ」

「マイケル」アーサー・イングルウッドは低い声でいった。「静かにしろ」

Chapter IV

The Wild Weddings; or, the Polygamy Charge

“A modern man,” said Dr. Cyrus Pym, “must, if he be thoughtful, approach the problem of marriage with some caution. Marriage is a stage—doubtless a suitable stage—in the long advance of mankind towards a goal which we cannot as yet conceive; which we are not, perhaps, as yet fitted even to desire. What, gentlemen, is the ethical position of marriage? Have we outlived it?”

“Outlived it?” broke out Moon; “why, nobody’s ever survived it! Look at all the people married since Adam and Eve—and all as dead as mutton.”

“This is no doubt an inter-pellation joc’lar in its character,” said Dr. Pym frigidly. “I cannot tell what may be Mr. Moon’s matured and ethical view of marriage—”

“I can tell,” said Michael savagely, out of the gloom. “Marriage is a duel to the death, which no man of honour should decline.”

“Michael,” said Arthur Inglewood in a low voice, “you MUST keep quiet.”

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