再訳 サキ『耐えがたきバシントン』№35

ヨールの懸命さに欠けた政治への見識のせいで、フランチェスカの顔に咎めるような色がうかんだのではなかった。原因は、コーマスだった。彼は学生生活からすでに離れ、今では社会的に問題のある人物となっていたが、最近になってこの若い政治家ヨールの仲間となり、賛美者になったばかりであった。コーマスは政治について何も知りもしなければ、考えることもなく、ただヨールの服装を真似しているだけのことで、あまり上手くいかないながら会話まで真似をしようとしていたので、フランチェスカはその傾倒ぶりを咎める自分の感情が正しいと思っていた。着飾って日々を過ごすような女にしても、贅をこらした格好で日々をすごす息子は心配なのである。

It was not Youghal’s lack of political sagacity that had brought the momentary look of disapproval into Francesca’s face.  The fact was that Comus, who had left off being a schoolboy and was now a social problem, had lately enrolled himself among the young politician’s associates and admirers, and as the boy knew and cared nothing about politics, and merely copied Youghal’s waistcoats, and, less successfully, his conversation, Francesca felt herself justified in deploring the intimacy.  To a woman who dressed well on comparatively nothing a year it was an anxious experience to have a son who dressed sumptuously on absolutely nothing.


PDF

さりはま の紹介

何かあればsarihama★hotmail.co.jpまでご連絡ください。★は@に変えてください。更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: サキ, 再検討「耐えがたきバシントン」 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.