アルフレッド・マーシャル 第八版への序文 25~26ページ

限界費用(生産量を一単位増すことによって生じる総生産量の増加分)の変動は、以下の、よく知られた事実による。経済的原因のこうした影響は、簡単には追求できるものではない。だが、重要なものである。重要なことは観察者がいだく第一印象ではなく、観察者の目をひきつけるものでもなく、経済的原因のこうした影響のほうが重要なことが多い。過去において、この影響が経済分析の発端となり、苦しみとなった。この重要性は、おそらく一般には理解されない。そのため完全に理解するには、更に研究をしていくことが必要となる。(25ページ)
様々な要素が許す範囲で、少しずつ、試験的に、新しい分析により経済にもたらそうと試みられているものがある。その試みとは、わずかな増加(一般的に異なる計算方法を呼び起こす)に関する科学的方法である。近年、物理的要素に関しては、コントロールできるようになった。その大半は、直接的、間接的に、科学的方法によるもので、まだ初期の段階である。定論もなく、学説もない。専門用語を完全に定着させる時間もない。その他のどうでもよい事柄は、健全に生活しているという徴でしかない。しかしながら実際に、本質的要素に関して、素晴らしい調和と同意が見いだされる人々がいる。それは新しい方法をつかいながら発展的に働いている人々であり、もっと単純ではっきりした仕事で見習いとして働いている人々でもある。あるいは、発展的な物理の問題のために働いている人々である。一世代が過ぎた30年後には、経済に関する調査分野への、限られたものながら重要な統治権は当然のものとなり、論争となることはないだろう。(26ページ)(さりはま訳)

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