アダム・スミス 道徳感情論 1.Ⅱ.2 不作法にみえるも優雅にみえるも共感次第

しかしながら、こうした平凡さにの中で、礼儀正しさの程度というものが形成されてくるのである。また感じる感情が異なれば、礼義正しさも異なってくる。その感情は高ぶることもあれば、沈みこむこともある。感情の中には、強く表現することが無作法になるものもある。そうした感情を強く表現されると、非常に無作法なものとして感じないではいられない。しかしながら感情の中には、強く表現されても、極めて優雅にみえる感情というものが往々にしてある。たとえ、それがやむをえず生じた感情だとしてでもある。無作法にみえる感情に、共感が少しもわいてこないのには、何らかの理由がある。優雅にみえる感情に、非常に強い共感をいだくのは、別の理由からである。人間の特質から生じる様々な感情を考えてみよう。多少なりとも共感に比例して、そうした感情が礼儀正しいものとして、あるいは礼義にそぐわないものとして、見なされていることに気がつく。(1.Ⅱ.2)

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