アーサー・モリスン「ロンドン・タウンへ」4章50回

そのあと言葉がとぎれ、やがてメイ未亡人はある事実を思いだした。「ランタンのロウソクは小さいから、一時間もたない筈よ」彼女はいった。「もう戻ってこないといけないはずなのに。ジョニー、いてもたってもいられない気分だわ」

 「どうして? なにか心配なことがある?」ジョニーは訊いたが、残されたロウソクがわずかであるという状況に、彼も落ち着きを失っていた。「どこかでロウロクを手に入れたのかもしれないよ、ここまで戻ってこないで」

 「でも、どこで?」メイ未亡人はたずねた。「頼むとしたらダン・カウだけよ。そこまで来たら、家に帰ってきたようなものだわ。それにおじいちゃんは頼んだりしようとしないと思うの」

 ジョニーは椅子から離れ、戸口に母親とならんで立った。耳をすましていると、規則正しい物音が、ざわざわとした木々のざわめきの中から、はっきり聞こえてきた。「ほら、帰ってきたよ」ジョニーはいった。

 だが、その音は近づいてきたが、大股に歩きまわる音で、重々しい足音が響いていきた。やがてボブ・スモールピースの声が暗がりから聞こえてきて、夜のあいさつをしてきた。

 

There was another pause, till Mrs. May remembered something. “The bit o’ candle he had in the lantern wouldn’t last an hour,” she said. “He’d ha’ had to come back for more. Johnny, I’m gettin’ nervous.”

“Why, what for?” asked Johnny, though the circumstance of the short candle startled his confidence. “He might get a light from somewhere else, ‘stead o’ comin’ all the way back.”

“But where?” asked Mrs. May. “There’s only the Dun Cow, an’ he might almost as well come home—besides, he wouldn’t ask ‘em.”

Johnny left the chair, and joined his mother at the door. As they listened a more regular sound made itself plain, amid the low hum of the trees; footsteps. “Here he comes,” said Johnny.

But the sound neared and the steps were long and the tread was heavy. In a few moments Bob Smallpiece’s voice came from the gloom, wishing them good-night.

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