チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第270回

「彼がケンブリッジに送られたのは、古典や文学で出世させようと考えたからというよりは、数学や科学の分野で出世させようとしたからだ。星明りのない虚無主義というものが、当時、その学校の哲学だった。虚無主義が彼のなかにつくりだしたものとは、手と心のあいだの戦いであったが、そこでは手が常に正しいものであった。彼の頭脳は光明のない教義を受け入れたけれど、その手は背くのだった。彼がその教義について語るとき、右手はひどいことを教えた。ケンブリッジ大学の権威たちがその教義について語るとき、不幸にも、その教義は彼の右手のかたちをとって、装填した小火器をみせびらかしながら、それを高名な教員の顔につきつけたので、彼は窓から身を乗り出すと縦樋にしがみついた。

 

“He had been sent to Cambridge with a view to a mathematical and scientific, rather than a classical or literary, career. A starless nihilism was then the philosophy of the schools; and it bred in him a war between the members and the spirit, but one in which the members were right. While his brain accepted the black creed, his very body rebelled against it. As he put it, his right hand taught him terrible things. As the authorities of Cambridge University put it, unfortunately, it had taken the form of his right hand flourishing a loaded firearm in the very face of a distinguished don, and driving him to climb out of the window and cling to a waterspout.

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