チェスタトン「マンアライヴ」二部三章第297回

「もし其の場所を知らないというのなら、見かけたとしても、どうやって知るつもりなのかと彼に訊いてみました。すると彼は突然ぼんやりした状態を脱し、おどろくほど細心の注意を払って語りはじめたのです。彼はその家について語りましたが、その綿密さときたら競売人も満足するほどのものでした。大半は忘れてしまいましたが、最後に語った二つの言葉だけは覚えています。街灯が緑に塗られていたということ、それから角には赤い郵便ポストがあったということです。」

「赤い郵便ポストだって!」私は驚いて叫びました。「なんと、そこはイングランドにちがいない」

「忘れてしまったが」彼は言うと、重々しく頷きました。「そうした名前の島だったかもしれない」

「でも、誰もが知っている名前ですよ」私は憤慨して言いました。「イングランドからいらしたのですね」

 

“I asked him how, if he did not know the place, he would know it when he saw it. Here he suddenly ceased to be hazy, and became alarmingly minute. He gave a description of the house detailed enough for an auctioneer. I have forgotten nearly all the details except the last two, which were that the lamp-post was painted green, and that there was a red pillar-box at the corner.

“`A red pillar-box!’ I cried in astonishment. `Why, the place must be in England!’

“`I had forgotten,’ he said, nodding heavily. `That is the island’s name.’

“`But, ~nom du nom~,’ I cried testily, `you’ve just come from England, my boy.’

 

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