TheNYT「文盲との戦いーーー続々と誕生する図書館」

ニコラス・クリストフ筆 On The Ground

The New York Times 2011年11月5日

私は日曜日のコラムで「読書室(リード・ツゥ・ルーム)」の創始者であるジョン・ウッドを取り上げ、世界中に図書館を建設しようとする彼の努力について書いた。おそらくこの試みのもっとも効果的な部分とは、もし支援がなければ転落していくにちがいない貧しい少女たちを支援しているということである。そうした少女たちの数は、現在、13500人になる。ウッドの努力が年月をかけて実を結んでいく様子を私は見てきた。それはウッドが市場に勘を働かせたからでもあり、市場取引に賞賛すべき腕を発揮したせいでもある。ウッドがヴェトナムで一千万冊の本を手渡す場に参加でき、私は嬉しい。

この話が私の心をうつのは、さらに広い世界の一片へとつながるからである。私はだんだんと納得するようになったのだが、教育とは効果のある解決方法なのである。なぜなら教育とは健康、人口増加に影響し、女性を主流におしあげ、さらに社会的紛争を減らすものだからである。ただし、これはいつも、どの場所でも起きることではない。エドワード・ミゲルがケニアでおこなった調査によれば、教育のおかげで部族としての文化や意識が高まりはしたものの、民主主義的な規範をつくりあげることにはならなかった。それでも教育は、私が知っているどんなものよりも効果的に作用しているのである。このようなわけでアメリカの教育について、私は書いているのである。ベトナムであろうと、アメリカであろうと、教育とは貧困から抜け出すための、一番効果的なエスカレーターなのである。

今でも努力は続けられている。世界エイズ・肺病・マラリア撲滅機関をモデルにして、オーストラリアと前イギリス首相ゴードン・ブラウンによって世界教育機関が発足したーーーどこの政府も参加を望まないような時であるにもかかわらずだ。(LadyDADA訳)

 ジョン・ウッドの自伝「マイクロソフトでは出会えなかった天職・僕はこうして社会起業家になった」(矢羽野薫訳)は日本でも出版されている。

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