チェスタトン「マンアライヴ」二部三章第330回

「あなたが言わんとするところは、つまり」思わず大きな声で言ってしまいました。「世界を一周してきたということなのですか? あなたは英語を話しているし、それに西の方から来たというのですから」

「でも僕の巡礼の旅は、まだ終わっていないんだよ」彼は悲しそうに答えました。

「僕が巡礼者になったのは、流浪の身である自分を癒やすためなのだから」

「巡礼者」という言葉にある何かのせいで喚起された記憶とは、ひどい経験と共にあるものですが、先祖たちが世界に感じていたものについてであり、私がやってきた場所にまつわるものについてでありました。絵が描かれた小さなランタンをもう一度見てみました。それは、十四年のあいだ目に入らなかったものでした。

“`Do you really mean,’ I cried, `that you have come right round the world?
Your speech is English, yet you are coming from the west.’

“`My pilgrimage is not yet accomplished,’ he replied sadly.
`I have become a pilgrim to cure myself of being an exile.’

“Something in the word `pilgrim’ awoke down in the roots of my ruinous experience memories of what my fathers had felt about the world, and of something from whence I came. I looked again at the little pictured lantern at which I had not looked for fourteen years.

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