チェスタトン「マンアライヴ」二部三章第333回

「僕が言いたいのは」彼は熱意をこめて言いました。「天国に私のための家があるとすれば、その家には緑色の街灯も、緑の生け垣もあるということだ。いや、緑の街灯や生け垣と同じくらい、はっきりと僕の家だとわかる何かがあるだろう。つまり僕が言いたいのは、神様が命令されたってことなんだ。ある場所を愛すように、その場所に仕えるようにと。その場所をたたえるために、少し荒々しくても、ありとあらゆることをしなさいと命令されたんだ。だから、この或る場所とは、すべての無限性と詭弁について証言する場所なんだ。すなわち天国はどこかにあるはずなんだけれど、どこにもありはしない。天国とは何かのかたちをしているんだけれど、実は何のかたちもない。もし天国の家に緑の街灯がほんとうにあったとしても、僕はあまり驚かないだろう」

そう言いますと彼は熊手を肩にかついで、のっしのっしと危険な道をくだっていき、私は鷹といっしょに取り残されました。でも彼が立ち去ってからというもの、家を失った者の熱情にゆさぶられるのです。見たことのない雨にぬれた牧草地やら泥だらけの小道に思い悩むのです。こんなふうに私もアメリカのことを思うのだろうかと。 敬具

ルイ・ハラ

“`I mean,’ he said with increasing vehemence, `that if there be a house for me in heaven it will either have a green lamp-post and a hedge, or something quite as positive and personal as a green lamp-post and a hedge. I mean that God bade me love one spot and serve it, and do all things however wild in praise of it, so that this one spot might be a witness against all the infinities and the sophistries, that Paradise is somewhere and not anywhere, is something and not anything. And I would not be so very much surprised if the house in heaven had a real green lamp-post after all.’

“With which he shouldered his pole and went striding down the perilous paths below, and left me alone with the eagles. But since he went a fever of homelessness will often shake me. I am troubled by rainy meadows and mud cabins that I have never seen; and I wonder whether America will endure.— Yours faithfully, Louis Hara.”

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