再訳 サキ『耐えがたきバシントン』№32

彼女の歩みは一組の男女のところでしばらくとまったー彼らは熱心かつ雄弁に、今日、くすぶっている問題について論じていた。痩身の、眼鏡をかけた若い男はすでに額が後退しつつあり、進歩的な意見をしばしば展開しては、眼鏡をかけた若い女に話しかけているのだが、その女の額も同じような様子を呈していて、しかも非常にだらしない髪をしていた。ロシアの女子学生に間違えられるということが、その娘の人生における野心であり、そのためにサモワールのどこに茶葉をいれるのかを正確に突きとめようとして、数週間にわたって根気強く調査をつづけていた。かつて彼女は、オデッサ出身のユダヤ娘に紹介されたことがあったが、そのユダヤ娘はその次の週に肺炎で亡くなってしまった。このようなわけで経験は乏しいながら、ロシアに関する全ての大家として任命された若い娘は、間隔があまりあいていない目を輝かせていた。

Her progress was impeded for a moment by a couple engaged in earnest and voluble discussion of some smouldering question of the day; a thin spectacled young man with the receding forehead that so often denotes advanced opinions, was talking to a spectacled young woman with a similar type of forehead, and exceedingly untidy hair.  It was her ambition in life to be taken for a Russian girl-student, and she had spent weeks of patient research in trying to find out exactly where you put the tea-leaves in a samovar. She had once been introduced to a young Jewess from Odessa, who had died of pneumonia the following week; the experience, slight as it was, constituted the spectacled young lady an authority on all things Russian in the eyes of her immediate set.


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