さりはま書房徒然日誌2024年12月24日(火)

田中箔押所を見学!

手製本工房まるみず組が企画された田中箔押所見学ツアーに参加、箔押しを見学させて頂く。


田中箔押所は新御徒町にある。付近には皮工房も多く、革製品への箔押しもされている。箔押しの済んだ革製品もあったが、なんとも言えない温もりがある。

この箔押しの機械の前に、田中箔押所の先代社長が座って、丁寧に時間をかけて箔押しを黙々と進めてゆく。
箔押しがこんなに時間と手間がかかるものとは……ビックリする。

↑まず私たち其々が押したい文字の大きさに合わせて、活字を探して拾ってゆく。
こんなにたくさん活字があるとは!ビックリ!


まるみず先生の説明では、かつて新聞を活字から印刷していた時代、新聞は刷る部数が多いので一回で摩滅。印刷が一回終わる都度、文字を溶かしてまた活字を作っていたそうだ。書籍の場合は、活字を紙に押して鉛で型をつくり……だったそうだ。そんな時代があったとは!


パソコンが普及した現在、活字屋さんがどんどん廃業、田中箔押所の近くにあった活字屋さんも廃業したらしい。寂しいことである。

↑活字は一個ずつ作っているので厚みが違うとのこと。でこぼこしていると箔にムラが出来てしまう……ムラが出来ないように紙を一枚ずつ重ね、厚みを均等にしていくそう。

とても大変な、職人さんの勘が必要な技に思える。

↑幾度も幾度も定規で測る。

↑箔の色は何色も豊富にある。金だけでも赤みを帯びた金から純粋な金と色々。

出来上がりを見ると、やはり箔の色によって、同じ金でも印象がだいぶ違う……ことにビックリ。

↑上の金属部分に手を近づけては温度を確認される。箔を押す素材によって温度も異なってくるとのこと。

↑私も「2025」と箔を押して頂く。このノートは、まるみず組に入る前に私がつくった角背上製本のノート。角が潰れていたり、端がダブダブしていたり見苦しい。


でも箔はムラなく均等にシャープに入っている。さすが!
家にある箔押しされている本と比べると、田中箔押所の箔はクリアでシャープな気がした。

このノートはSOLIDAの棚に非売品で置く予定なので、お時間のある時に90代の箔押し職人の技をご覧下さい。
長い年月をかけて積み上げた職人さんの技を側で見学させて下さり、素敵な箔押しをして下さった田中箔押所さま、得難い体験ツアーを企画して下さいました手製本工房まるみず組に心から感謝!

さりはま の紹介

更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: さりはま書房徒然日誌 タグ: パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.