さりはま書房徒然日誌2025年2月1日(土)

「美しき野辺 沙羅木版画展」へ

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『うさぎがきいたおと』を読む

飯田橋の本づくり協会で開催中の「美しき野辺 沙羅木版画展」へ。
前回本づくり協会で購入した谷川俊太郎『詩画集 目に見えぬ詩集』で色づかいの印象的な、沙羅さんの版画を知った。

「美しき野辺 沙羅木版画展」の会場は、沙羅さんの工房がある安曇野の自然を思わせる色彩の木版画が何とも優しい雰囲気を醸していた。


この展覧会の思い出にと、本づくり協会を運営されている美篶堂さんの「かみじま あきこ」さんが文を書き、「さら」さんが絵を描かれ、美鈴堂さんが製本された「うさぎがきいたおと」特装版を購入する。

(↑「うさぎがきいたおと」の絵葉書より)

私がふだん気がつかないような音に耳を澄ます“かみじま“さん。同じように私には見えていない物を見つめる“さら“さん。二人の呼吸がぴったり合った絵本だと思う。
このウサギの絵が、下のウサギの言葉が、そんな二人の姿に重なる。

「なんだか きらきらして
    いろんな おとが かさなっていた。」

「いろんな いろも かさなっていて、ぼくは なんだかうれしかった」

(『うさぎがきいたおと』より)

ちなみに美篶堂さんは伊那にある手製本の製本所で、この絵本も一冊一冊が手作りで作られている。
文字も表紙の色に合わせたのだろうか、それとも絵本の優しい色彩の絵を際立たせるためだろうか、優しいグレーがかった文字で印刷されている。本の文字は黒だけでないんだと知る。

丁寧に隅々まで心を込めて手製本で作られたこの本は、手にしていると何とも心が落ち着いてくる。不安な世における灯火のようだ。
そんな『うさぎがきいたおと』が多くの人のもとに届きますように。

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