さりはま書房徒然日誌2025年1月28日(火)

丸山健二『千日の瑠璃 終結5』より十二月十六日「私は鎖だ」を読む

十二月十六日は「私は鎖だ」と、まほろ町の自然そのものを鎖に見立てて語らせている。
おそらく丸山先生も自然豊かな大町の地に、何らかの鎖を感じながら過ごされてきたのだろうか。
もしかしたら普通の人なら見えない鎖なのかもしれない。その縛りを感じるからこそ、文学作品を書くことが出来るのかもしれない……と思った。

私は鎖だ、

鳥のように種類の多い人々を
   このまほろ町にがっちりと繋ぎ止めている
      目には見えぬ
         ときには見え過ぎることもある
            なんとも得体の知れない鎖だ。


(丸山健二『千日の瑠璃 終結5』166ページ)

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