丸山健二『千日の瑠璃 終結8』より九月九日「私は言い分だ」を読む
少年世一が世話をして飼っているオオルリは、実は飼ってはいけない鳥。
オオルリの存在を知った野鳥の会の会員がやってきて「飼ってはいけない」と警察への通報をちらつかせながら言う。
以下引用文。
たまりかねた母親の言葉。
母親は世一を厄介者扱いしていながら、でもやはり世一のことはよく理解しているのだなあと思う。
あの子がオオルリを飼っているのではなく
あの子がオオルリに生かしてもらっているのだと
そう激しくまくし立て、
「杓子定規のあんたらにはわからんでしょうがね!」と
脳天から声を絞り出す母親は
おのが言葉の正しさに改めて感動し、
(丸山健二『千日の瑠璃 終結8』より36ページ)