東秩父和紙の里へ
中板橋の手製本工房まるみず組が企画してくださった東秩父和紙の里紙漉きツアーに参加した。
このツアーは去年も確か同じ時期に参加した。でも風景が少し異なっていたり、新たな発見があったり……。
例えば紙漉き工房裏手にあるコウゾ畑の風景。
去年は刈り取られる前のコウゾがワサワサしていた。

今年はすっかり刈り取りが終わって株だけになっていた。↓
コウゾは一年で2メートルも成長するそう。

↓コウゾの株。
コウゾは一年でこんなに太くなる。
でも和紙にするのは表皮と芯の間にある薄い皮の部分だけ。これだけの株から取れる和紙は、ほんの僅かだそうである。

工房の長はまだお若い女性職人。その方に色々丁寧に説明して頂く。(それなのに記憶違いも多分多々ある私の情けなさ)
工房の中では、コウゾが産地ごとに分けられている。
地元のコウゾの他に、土佐のコウゾもあれば、タイのコウゾもある。どれも産地の人が丁寧に皮を剥いてくれている。
植物なので虫食いなどがあるが、そういうところは除けないと、後で煮た時に繊維がそこだけ固くなってしまうそうだ。
剥くのも大変、虫食いを見つけてどけるのも大変である。
ちなみに私は「ここが虫食いの跡」と言われても、まったく分からなかった。

コウゾは外の水槽に数日浸して柔らかくするそう。
水は井戸水とのこと。そのため手を入れると、風の冷たさに比べそれほど冷たくはない。

確か灰汁とか入れて煮る……と言われていた。

↓繊維を一本ずつ確認。黒いチリのある繊維をどけていく。これをしないと、最後、紙に黒い点々が残ってしまうそう。

叩く。
機械で叩く場合。↓
でも機械で叩くと鉄の粉が混じることもあるため、人力で叩いた方がよいとのこと。

人力で叩く場合、木の棒で叩く。↓
説明してくださった紙漉きの若い女性は、このくらいだと一時間ほど時間をかけて叩くと言われていた。
私もトライしたが、30秒でヨタヨタした。大変な作業である。

↓和紙の繊維を均一にしてくれるトロロアオイの根を引き上げている。
でもトロロアオイは暑さに弱く温度管理が大変とのこと。
化学薬品で代替えも可能な世、管理の難しいトロロアオイを使用するとその分コストが上がることもあるらしい。
和紙本来の良さを追求するには、コストアップも仕方ないのである。

↓これはトロロアオイだっただろうか?

↓漉き舟。これがいわゆる紙漉きのイメージだと思う。
漉き舟に水、コウゾ、トロロアオイを入れて、すのこを動かしながら紙の繊維を残す。
「紙を漉いていないと、漉きたくなってくる」と午後の体験で職人さんが言われていた。
大変な作業だが、無心になれるひとときなのかもしれない。
ただ、こうした道具を作る職人さんが絶えつつある現状を心配されていた。
和紙は道具、材料となる植物、和紙を漉いてくれる人……それぞれが危機にあるのだ。

↓水をここで絞る。

温水が中を通っている鉄板に漉いたばかりの和紙をはり、刷毛で撫でて密着させる。

ハケの激しい擦り減り方を見ると、これも力仕事であるらしい。

「熊毛」とハケにあるが「馬毛」とのこと。強い熊にあやかったらしい。

午後は小さな漉き舟で和紙づくりや葉書作りにトライ。

花を用意してくださっていたので、漉いた和紙に散らしてみた。

和紙は作る段階から手間暇かけて、次の人に手渡していくのだなあと思った。
大変だけど、そうしたバトンタッチ的作業が背景にあるから、和紙には温もりや魅力があるのだろう。
そして現代の無駄を省くコスト至上主義から守らないと、途絶えてしまいかねない存在でもある。
色々貴重な学びをさせてくださった東秩父和紙の里の方々、まるみずの先生に感謝!