さりはま書房徒然日誌2026年3月6日(金)

丸山健二『千日の瑠璃 終結8』より九月十六日「私は解放だ」を読む

世一の飼っているオオルリは、実は飼育が禁じられている鳥。

まほろ町のリゾート開発運動に反対するグループの矛先は、このオオルリへ向かう。

仕方なく町役場勤務の父親は籠のオオルリを放つ。その「解放」が語る。

最初は世一の方へ行こうとしたオオルリだが……。


以下引用文。

飼い鳥としての存在から、心ならずも決別させられたのだなあ……と「もはや飼い鳥でない事実を悟らせた」の文に思う。

そんなオオルリが向かう世界が何とも美しく響いてくるのは、「もっと高く さらに高く」の醸す高揚感のせいだろうか。

でも不自由な少年世一はどうなる? なんとなく世一のこれからの運命も見えてくるような箇所である。

ところがオオルリは
   知らない人間やクルマの排気音や臭い空気に改めて圧倒され、

ともあれ
   その場を離脱しなければならないと直感して
      まっしぐらに空へ逃げ場を求め
         頭上を占める青にたちまち溶けこんでしまい、


そこで私は
   もっと高く
      さらに高く押し上げてやり、

そうすることによって
   もはや飼い鳥ではない事実を悟らせた。


(丸山健二『千日の瑠璃 終結8』64ページ)



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