さりはま書房徒然日誌2026年1月28日(木)

丸山健二『千日の瑠璃 終結8』より九月七日「私は水だ」を読む

土砂流出を防ぐ工事のあと「うたかた湖を満たす瀕死の水」が語る。

『千日の瑠璃』が最初に書かれたのは1992年。

そろそろバブルが終わろうとしていた頃だ。

金の勢いに任せて地方の自然まで荒らされていく様子を、水の視点から語る。

あの時代に語らなければいけないことを、こうして文字にしてくださっていたのだなあと思いつつ読む。

湖岸の山をほんの少し削り取られただけで生じた
   めまぐるしい一連の変貌に
      私はもう付いてゆけなくなって
         日ごとに浄化の力を落とし、

開発と破壊の因果関係の歴たる証拠を目の当たりにした
   数少ない心ある住民たちは
      心底から悲しみ
         そして

            本気で怒っている。

(丸山健二『千日の瑠璃 終結8』26ページ)

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