丸山健二『千日の瑠璃 終結8』より十月一日「私は水泳だ」を読む
大規模工事のせいで客のいない「うたかた湖」で「あまりにもへたくそな水泳」をする世一。
その動きを語る言葉に、丸山文学の読者は「自分の心も読んでいる作品ごと、どこかに連れて行ってもらえるかも」と期待してしまうのかもしれない。
さりげない言葉ながら、丸山作品の魅力を語っているように思う。
意思に関係ない動きは
前進と後進をくり返しながら
ともあれ確実にどこでもいいどこかへと向かっており、
(丸山健二『千日の瑠璃 終結8』124ページ)