さりはま書房徒然日誌2026年4月17日(金)

丸山健二『千日の瑠璃 終結8』より九月三十日「私は気遣いだ」を読む

「日々悪事を重ねる長身痩躯の青年と 何も求めずに生きることに決めた『三光鳥』の女将の 少年世一に対する気遣い」が語る。

この二人にさらに世一の父親の相手をしてきた娼婦が加わって、世一の噂をしているところに、当の世一の口笛が聞こえてくる。

不自由なはずの世一の意義とは? あらためて、その意義を考える文。

ややあって
   少年世一の口笛が急接近し、

それは湖面を渡る風に吹かれて
   散り散りに飛ばされ、

その断片が「三光鳥」にも届いて
   三人の口を封じ

      三つの心に抗いがたい揺さぶりを掛けた。

(丸山健二『千日の瑠璃 終結8』121ページ)

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