2012年5月22日Sensible Nonsense – NYTimes.com
ラグラム・ラヤン教授の話しならOK、もう聞いている。「「良識ある」ケインス学派は不況に対する安易な解決策はとらない、なぜなら
政府の出費における全般的増加はかなり鈍る可能性がある。ニューヨーク州で高まってきている要求とは、ネバダ州ラスベガスまで家族で出かけて食事をするように援助することにはならない(つまりラスベガスでのレストランの雇用を増やすことではない)」
こんな論争をしている連中は、実際のデータを一瞬でも見たのだろうか。
ラヤンの文を読んだ読者は、たぶんこう思うだろう。ニューヨークでは完全雇用に近くて、失業問題はもっぱら最悪の住宅バブルをかかえたネバダのような場所のことだろう。11.7パーセントの失業率をかかえたネバダが、この国の雇用問題の先頭に立っているのは事実である。しかしニューヨークの失業率は8.5パーセントにもなる。正確には完全雇用ではないのだ。
ラヤンの主張ではっきりしているのは、この国の懐は高い失業率ではちきれそうだけれど、失業問題は国で活発に考える事柄ではないって言っているってことだ。失業問題に取り組むには、外科手術のように正確な政策が必要だからだ(実際には、これが何もしないでいる口実になるけど)。ここに失業率によって州を分類した、アメリカの人口分布表がある。(英文記事参考)
アメリカの人口の半分が、8パーセント以上の失業率をかかえる州に住んでいる。4分の3が7パーセント以上の失業率の州に住んでいる。10分の1だけが、失業率6パーセント以下の州に住んでいる。
いつまでも懐を高い失業率でふくらませた国でいるわけにはいかない。高い失業率が膨張してきているけれど、この国の懐はそんなに高い失業率をしまっておけるほど深くはない。まさに広い層に支持される政策を打ち出さなくてはならない場面にいるのだ。
再度くり返すが、裏づけるデータもないまま緊縮論を進めていくことに驚きを感じる。そうしたデータを少しでも見れば、この論争の愚かしさが明らかになるだろう。
そう、それは行動を起こさない理由を探しているようなものであり、事実に関心を持たないようなものだから。 (Lady DADA訳・B.Riverチェック)