丸山健二『千日の瑠璃 終結8』より九月十八日「私は手錠だ」を読む
まほろ町に移り住んだ若いカップルが、大麻を栽培、販売していることがバレて逮捕される。
その様子を手錠が淡々と語る。
これが作者の視点、人間の視点だと、どうしても感情過多になって語られてしまうのでは?
でも手錠が語ると、ビシビシ語ってもどこか距離感があって、読み手もその状況を思い描きつつも淡々と読むことができる気がする。
その時点で私は
これまで堅気として通っていた若夫婦を
犯罪者の立場へと一挙に追いやり
反社会的な存在として位置づけ、
併せて
両人に身の破滅と運の尽きを
嫌というほど知らしめ、
(丸山健二『千日の瑠璃 終結8』70ページ)