さりはま書房徒然日誌2026年3月19日

製本応用講座「自作長編を丸背にする」&パッセカルトン9回&世にも素敵な歌集「まるみず短歌」

中板橋の手製本工房まるみず組へ。

以前一緒に学んでいた外国の方が隣の席に。

私が無謀にも応用講座とパッセカルトンの両方にトライしていると聞いて、たしかその方は
“Bookbinding is life for you”と言われていたような。


書いた文字を形にしてくれる手製本は、確かに私にとってlifeなのかもしれない。不器用な私ではあるけれど。

パッセカルトン9回


前回と同様、バラした丸山健二「月に泣く」のページ中央に薄い和紙を貼って、糸でかがる時の補強にする……という作業。

結構時間がかかる。二回ちょっとかけてようやく一冊終わる。

残り二冊。

でも他の方の様々な本を眺めたり、先生から本について教わるひとときはとても楽しい。

それにつていは最後に。

製本応用講座「自作長編を丸背上製本にする」

自作長編で丸背上製本を三冊つくるを目指して、黙々と作業。

前回、三冊とも糸かがりが終わったので、今日は背固め。

適当なボール紙で本文をサンド。

背に糊をたっぷり塗って、ヘラでゴシゴシ擦って、折丁の背も糸も平らになるようにつぶしていく。

折丁の間に隙間があったり段差があったりしたらいけないらしい。

糊が乾くのを待つ間に花布を作る。

糊が乾いたら小口側を断裁機で裁断してもらう。綺麗!

世にも素敵な歌集「まるみず短歌」

まるみずの製本コンクール、(その年のテーマは「短歌」)に先生が出された歌集を、今日たまたま拝見。

その存在感に圧倒される。↓

手にとってみると、ものすごく軽い。

本文に和紙を使っているせいだろう。

背の茶色は革?それとも柿渋の和紙?

表紙の隅はコーナーウッド。木片である。

和紙、革、木が醸すオーラの見事さ。

糸のかがり、折り目の美しさ。

とても高価そうに見えるが、本文の和紙は束ですごく安く買われたとのこと。

襖に使われる紙だったのでは……と言われていたような。

こんな素敵な歌集も、手製本の知識と器用な指先があればお金をかけずに出来るのだ。

本文は墨流しで模様を作り(たしか)、二ページに一首という贅沢さ。

右側に短歌を一首。

左側には、先生が歌に合うように別の和紙に描かれた「まるみずちゃん」のイラストを素朴にちぎって貼り付けている。

短歌は旧字体を使用。

イラストの可愛らしさ、旧字体のいかめしさがコントラストを産んでいる。

本の佇まいも美しく、二ページ一首と余白たっぷり

歌と呼応する絵。

墨流しの一ページずつ異なる模様、余白までもが歌っているようで美しい。

短歌とは、本来はこういう器に入れて読むものなのでは……。

白いページに収められた短歌に慣れてしまっている自分がどれほど鈍なのか……ハッとした。

歌集や句集というジャンルは短い言葉でも広い宇宙を含むゆえ、存在感のある本にいちばんピッタリ寄り添うことが出来るのかもしれない。

存在感のある本をつくるにはまだまだな私だけど、そのためには短歌、俳句、小説のストックがなくては……。

かくして手製本をつくりたい……俳句、短歌、小説をつくりたい……と四つのタイヤに運ばれて、ポンコツ車の私は行く。

そう、下手っぴでも bookbinding is life for me なのだ。

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