丸山健二『千日の瑠璃 終結8』より十月三日「私は独楽だ」を読む
以下引用文。
独楽が「私に甦生の息吹の回転を与え 私と共に〈永遠〉を踊る若者」に向って語る。
「踊りつづける」映像が独楽のイメージと重なって、より強く心に響く。
でも東京の家賃が高くなりすぎたせいで、エッセンシャルワーカーの若者が続々と地方に戻る……という話を聞く昨今である。
『千日の瑠璃』が最初に書かれた1992年、地方から上京した若者は「踊りつづける」ことが出来た。
でも2026年の今では……と、時代の変遷をも思う。
そして
踊りつづける人生を本気で願うのなら
猟奇的な殺人事件がひっきりなしに頻発し
義務の受諾を大ぴっらに拒むことだって不可能ではない
幾つもの川の合流点にある
あの大都市に行くがいい、
ひっきょう
踊りまくる日々は
よそ者のみに許される特権なのだ。
( 丸山健二『千日の瑠璃 終結8』133ページ)