最初に到着した場所では、コーマスも、コートニーも姿はなかった。その事実は、その会へ出席するように招いていると思わせる理由を消し去っているようだった。二番目に到着した場所では百人ものひとが集まっていた。だが、ひとの集まりは、彼女がそのときに急いで必要としているものではなかった。家の庭にそびえているヒマラヤスギの木の下で、求婚者たちと最後に出会ってから、自分がとりわけ幸せでもなければ、ひどく不幸だというわけでもないことがエレーヌにはわかっていて、どちらの状態なのか決めかねていた。彼女は足元に広がる世界で、もっとも欲しいと思えるものを持っているように思えたが、思慮深い時を過ごしていると、自分が手をのばして手に入れたいと望んでいるのかどうかがわからなくなるのだった。それはアラビアンナイトかペガンのヘラスの物語のような状況であり、ヴィクトリア時代の秩序正しいキリスト教の書物で育てられた娘を困惑させ、まごつかせるようなものであった。彼女の控訴院は、連日、いつも会議を開いていたが、結論はくだせないでいた。少なくとも彼女が耳をかたむけたいと思うような結論はでなかった。