アーサー・モリスン「ロンドン・タウンへ」9章88回

「そこでふらふら遊んでいる兄ちゃん!」彼女はいった。「泥だらけの長靴で、あたしのきれいな階段をあちらこちら踏みつけてしまっているよ」そして勢いよく箒をつかんだので、ジョニーはあわてて五フィート下がった。

 

しかしながらどう見ても、いかなる種類のものであろうとも、家につづく階段はなかった。そこでジョニーは致し方なく半円を横切った。それというのも彼の考えでは、フットパスは公の土地だからだ。それにその通りは狭かった。だが、後になってから彼は学んだのだが、半円はその土地の習わしで崇拝されているもので、とりわけ女たちは病的執着者と同じように崇拝していた。男たちは旗竿を崇拝した。おとななら誰もがそうした。生活習慣がみだれている者や酔っぱらいだけが、半円に不法侵入した。そして半円は、いつも「階段」と呼ばれていた。

 

“Idle young faggit!” she said. “Stompin’ yer muddy boots all over my clean step!” And she made so vigorous a grasp at a broom that Johnny went five yards at a gallop.

Now truly there was no step of any sort to the house. And Johnny had but crossed the semicircle because he conceived the footpath to be public property, and because it was narrow. But he learnt, afterwards, that the semicircle was a sacred institution of the place, in as high regard among the women as its fellow-fetish, the flagstaff, was among the men; also that none but grown people—and those of low habits or in drink—dared trespass on it; and that it was always called “the step.”

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