チェスタトン「マンアライヴ」一部一章第31回

「まちがっているぞ、まちがっているぞ、そんな考え方は」世話好きの男は、陽気にうかれて叫んだ。「いつもの服装をしないといけない、たとえ擦り切れたものであってもだ!儀式偏重主義者は、いつもだらしない格好かもしれない。ワイシャツの胸に煤をつけて行ってもいい。でも糊のきいたシャツで行くことが大事だ。狩猟家だって古い外套を着ている。でも、狐狩りをする者が着る真紅の外套だ。シルクハットをかぶるんだ。たとえ、てっぺんがなくなっているにしても。それは価値ある象徴なんだぞ、君。君の帽子をかぶりたまえ。結局、君のものなのだから。帽子の毛羽は木の幹にこすられて、全部なくなっている。ねえ、君。だが、その縁は少しも曲がっていない。ねえ、君。それは昔も、今も世界一上等のシルクハットなのだよ」

 

“Wrong, wrong!” cried the obliging person hilariously. “Always wear uniform, even if it’s shabby uniform! Ritualists may always be untidy. Go to a dance with soot on your shirt-front; but go with a shirt-front. Huntsman wears old coat, but old pink coat. Wear a topper, even if it’s got no top. It’s the symbol that counts, old cock. Take your hat, because it is your hat after all; its nap rubbed all off by the bark, dears, and its brim not the least bit curled; but for old sakes’ sake it is still, dears, the nobbiest tile in the world.”

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