チェスタトン「マンアライヴ」一部一章第30回

しかしながら、帽子を見つけても、彼のふるまいは見る人によっては相変わらず変なものだった。彼は帽子をふりながら、大きな声でわーいと勝利の歓声をあげた。そのあと一瞬にして木から後ろ向きに転げ落ちたが、長く、強固な足で木にしがみつき、その有様は猿が尾でぶらさがるかのようであった。こうして頭を下にして、かぶりものをぬいだウォーナーの上にぶら下がりながら、彼が真剣な様子で始めたのは、形のつぶれた、絹の円筒形をしたものを相手の眉の上まで落とすことであった。「すべての男は王である」逆さまになった哲学者は説いた。「すべての帽子は(その理論でいけば)王冠である。しかも、これは天から授かった王冠である」

 それから彼はふたたび、ウォーナーの戴冠式をこころみた。だが相手は宙をさまよう王冠から、突然逃げ去った。なんとも奇妙なことだが、今のところ、以前まで被っていた飾りを望んでいないようであった。

 

When he had found it, however, his proceedings were by some counted singular. He waved it with a loud whoop of triumph, and then immediately appeared to fall backwards off the tree, to which, however, he remained attached by his long strong legs, like a monkey swung by his tail. Hanging thus head downwards above the unhelmed Warner, he gravely proceeded to drop the battered silk cylinder upon his brows. “Every man a king,” explained the inverted philosopher, “every hat (consequently) a crown. But this is a crown out of heaven.”

And he again attempted the coronation of Warner, who, however, moved away with great abruptness from the hovering diadem; not seeming, strangely enough, to wish for his former decoration in its present state.

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