チェスタトン「マンアライヴ」一部四章第103回

マン島の巨人のような、こうした仕草は高さのある像をつくりだし、闘いの雰囲気をもたらすもので、そのせいで彼らは放り出され、手も足もすべてを痛めつけた。静かに散歩をして立ちどまっているうちに、彼らは動物の磁気を帯びた装置さながら、突然、はじけて行動にでた。

「さあ、これから」ムーンは唐突に声をあげると、片方の手をさしのべた。「あの木立のまわりで踊ろう」

「あら、どの木立のことかしら?」ロザムンドは訊ねながら、言わば失礼さを輝かせながら見渡した。

「あっちの木立ではないよ」マイケルは言った。「桑の木の木陰だ」

 彼らはたがいに手をとると、なかば笑いながらも、真剣に儀式めいた態度をとった。ふたたび手を離すまえに、マイケルは仲間たちと共にをぐるりと輪になって踊ったが、まるで悪魔が天にむかって地球をまわしているかのようであった。

 

Those giant gestures of Man, that made the high statues and the strokes of war, tossed and tormented all their limbs. Silently as they strolled and stood they were bursting like batteries with an animal magnetism.

“And now,” cried Moon quite suddenly, stretching out a hand on each side, “let’s dance round that bush!”

“Why, what bush do you mean?” asked Rosamund, looking round with a sort of radiant rudeness.

“The bush that isn’t there,” said Michael—”the Mulberry Bush.”

They had taken each other’s hands, half laughing and quite ritually; and before they could disconnect again Michael spun them all round, like a demon spinning the world for a top.

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