「樹のごときもの歩く」
作者:坂口安吾
高木彬光
初出:1958年(昭和33年)
掲載誌廃刊にともない未完のままになっていた安吾「復員殺人事件」のあとを、高木彬光が書いて完成させた作品。
家族がばたばた殺されていっても動じない倉田家当主 由之の冷淡さは、高木彬光も不思議に思っていたのだと納得。でも、なぜ冷淡であったのかが説明しきれていない。安吾は、何か理由があって冷淡に描いたと思うのだが。
以下はネタばれあり。
一番得をする者が犯人…という結果で、そこにはあまり驚きはない。でも、この犯人がそこまでして財産を欲しがるものだろうか? 箱入り娘で大切にしてもらって生きるほうが幸せだと思うのではないだろうか。この犯人が犯行におよぶ動機が分からない。
まだ分からないことが多々あるので再読しなくては…。
読了日:2017年9月27日