『ダンカスターの17番ホール』
作者: H.R.ウェイクフィールド
再読になるが、やはりあまり好きになれない。ウェイクフィールドの強みとでも言うべき視覚に訴えてくる怖さ、嗅覚に訴えてくる怖さ、この生理的嫌悪感をかきたてる怖さが苦手なんだ…と再認識しつつ読んだ。
ノーフォークの海辺の砂丘地帯近くのゴルフクラブ、ダンカスター・ゴルフクラブは新し森を切り開いて17番ホールをつくった。すると不思議な人影が見えたり、ボールがとんでもない方向に飛んでいったりと不審な出来事が続き、ついには死者も数名。
死者は妙にねじれた格好で死んでいたり、あたりに臭気が立ち込めていたり…このあたりの描写が嫌いである。具体的に不気味さを描くと、かえって白々しい気持ちになってしまう…私の場合。
ただゴルフクラブに不思議な一角がある…という設定はいかにも英国らしい。ゴルフの描写も英国らしい…ただ私はまったくゴルフが分からない。…というわけであまり好きにはなれないけど、ウェイクフィールドを読めば正統的英国幽霊に会えそう…な予感がする。
読了日:2017年12月19日