チェスタトン「マンアライヴ」二部Ⅴ章第449回

大声を響かせながら、マイケルが慌てふためいてロザムンドのところへと芝生を駆け寄ってきた。そして荒々しく彼女と二歩、三歩ステップを踏んだが、それはワルツとおぼしきものであった。だが、その頃にはイノセントのことも、マイケルのことも分かっていたので、その乱行ぶりも人々はごく自然に陽気にむかえいれた。それよりも驚いたのは、アーサー・イングルウッドがダイアナのところへ進みよって、まるで妹の誕生日にするようにキスをしたことだった。ピム博士ですら、ダンスをすることは思いとどまったけれど、心からの慈悲をうかべて見つめていた。一連の馬鹿馬鹿しいすっぱ抜きを見ても、彼は他の者達ほど動揺はしなかった。こうした無責任な裁判も、馬鹿げた審議も、旧大陸に残る中世風の無言劇の一部ではなかろうかと彼は考えていた。

Echoing the cry, Michael scampered across the lawn to Rosamund and wildly swung her into a few steps of what was supposed to be a waltz. But the company knew Innocent and Michael by this time, and their extravagances were gaily taken for granted; it was far more extraordinary that Arthur Inglewood walked straight up to Diana and kissed her as if it had been his sister’s birthday. Even Dr. Pym, though he refrained from dancing, looked on with real benevolence; for indeed the whole of the absurd revelation had disturbed him less than the others; he half supposed that such irresponsible tribunals and insane discussions were part of the mediaeval mummeries of the Old Land.

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